社会
Posted on 2018年04月26日 05:58

“暴れん坊将軍”のスタミナ源はカツオだった!?

2018年04月26日 05:58

 鰹が旬の季節である。その昔、何をさておいても初鰹を食すのが江戸っ子と粋がったが、栄養素も立派なもの。徳川吉宗も愛好したスタミナの宝庫なのだ。

 目には青葉 山ほととぎす 初鰹

 とは、江戸中期の俳人・山口素堂(1642~1716)の作。あまりにも有名な句だが、何度読んでもヨダレが出てくる。しかし、ヨダレが出るのは、われわれ庶民ばかりではなかった。紀州の“暴れん坊将軍”徳川吉宗の好物でもあった。この句が生まれたのも、吉宗の時世のことだ。フードコンサルタントの中川貴子管理栄養士が言う。

「鰹は魚類の中でも高タンパク。さらにはビタミン・ミネラル類、特にビタミンB類とD類が豊富な上に、血中コレステロール値を低下させ、脳を活性化する働きを持つDHAや血液の流れをよくするEPAが多く含まれている」

 そして、ダシをとるのに使われるカツオ節も栄養があり、スタミナ源にもなるというのだ。中川さんが続ける。

「鰹節は、豊富な良質のタンパク質のほか、高血圧を予防し筋肉の動きをよくするカリウム、強い歯や骨を作るリン、ビタミンDなどを含んでいる。また必須アミノ酸も豊富でコラーゲンの働きが活性化されるので老化を防ぐんです」

 そして、紀州には魚のすり身と山芋のとろろをまぜた“すり流し芋”というのがあるという。

「簡単でおいしいうえに精がつく」(中川さん)

 カツオをすり身にし、おろした山芋と混ぜれば完成。近海カツオ一本釣り漁獲量21年連続日本一を誇る宮崎でも今初「かつおフェア」の真っただ中。ウマいカツオの“すり流し芋”をモリモリ食べて、“暴れん坊将軍”を目指そうか。

(谷川渓)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク