スポーツ

天才テリー伊藤対談「中西学」(1)気の抜けた試合をやったら新人以下

●ゲスト:中西学(なかにし・まなぶ) 1967年、京都府生まれ。専修大学時代に「全日本レスリング選手権大会」で4連覇。92年、バルセロナ五輪出場。同年8月「新日本プロレス」入門。「野人」の愛称を持ち、天山広吉・小島聡・永田裕志とともに「第三世代」と呼ばれ活躍した。2009年、棚橋弘至を撃破し、デビューから約16年半、6度目の挑戦で「IWGPヘビー級王座」初戴冠。10年にはNHK大河ドラマ「龍馬伝」に出演するなど、テレビでも活躍。11年、試合中にジャーマン・スープレックスを受け、選手生命の危機に立たされるが、12年に復帰。今年1月、引退を発表。2月22日、後楽園ホールにて引退試合が行われる。

 小細工なしのパワーファイトを信条にリングを大いに沸かせてきた、新日本プロレス「第三世代」メンバーの一人・中西学。今月22日に引退の花道を歩む「野人」が内に秘めたプロレスに対する熱い思い、飾らない素顔、そして今後の歩みを、天才テリーが徹底的に掘り下げる!

テリー いよいよ中西さんの引退試合が迫ってきましたね。多くのファンから愛された「野人」がいなくなるなんて、プロレス界が寂しくなりますよ。

中西 会見から本当にアッという間という感じです。2月22日の後楽園ホールが最後になります。

テリー 引退はいつから考えていたんですか。

中西 ここ2~3年です。もう昔みたいな熱い戦いができひんので。「寝たきりでもしゃあない」と言われたところから、奇跡的に復活できたけど、そこから伸びひんかったので、それが歯がゆかったです。

テリー やはり、11年の試合中に相手選手のジャーマン・スープレックスで首をケガ(中心性脊髄損傷)されたのが大きかったですか。

中西 あれは今でも申し訳なく思っています。自分の調整不足や練習不足で相手にも迷惑かけたし、長期離脱で会社にも迷惑をかけてしまいましたから‥‥。プロなのに、本当にどうしようもないですね。

テリー 卑下することはないのに、中西さんは自分に厳しい人だね。首の調子はどんな感じなんですか。

中西 前から、脊柱管という神経が入っている管が締めつけられる狭窄症にずっと悩まされていたんですけれど、その手術の時に管を広げてもらったんです。そやから、ホンマはもっと調子いいはずなんですが、やっぱりダメージが残っているんですよね。

テリー それでも、プロレスラーはリングに上がらなきゃいけない。しかも厳しいのは、試合中は痛めた首をかばうわけにもいかないし、相手は弱点であるそこを攻めてくる。これはキツいですよね。

中西 いえ、お金を払って見に来てくださるお客さんの前で試合をしている以上、甘っちょろいことは言うてられへんし、気の抜けた試合をやったらデビュー前の新人以下ですから。そやから鍛えて、痛めたところを硬く強くしようとやってきたんですが、運動能力もずいぶん落ちていましたので。

テリー 具体的には、どういう支障が。

中西 受け身がやっぱり痛いですね。体の柔軟性がなくなっているので、首にガツーンと衝撃がきます。

テリー 例えばドロップキックなんかをやると‥‥。

中西 ええ、ミサイルキックっていう、トップコーナーから飛んで相手にぶつける技があるんです。これをやって首から落ちてしまうと「これ、めっちゃ痛いわ!」と思ったりして。体をひねっておなかから落ちるというやり方もあるんですけれど、長年、背面で受け身を取ってきたので‥‥。

テリー なかなかそのクセが抜けない?

中西 ですね(苦笑)。他にもそういう不具合が出てきましたし、細かい動きもあんまりできんようになってきましたから、ここが潮時かと決意しました。

※対談日は引退試合前

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    「男の人からこの匂いがしたら、私、惚れちゃいます!」 弥生みづきが絶賛!ひと塗りで女性を翻弄させる魅惑の香水がヤバイ…!

    Sponsored

    4月からの新生活もスタートし、若い社員たちも入社する季節だが、「いい歳なのに長年彼女がいない」「人生で一回くらいはセカンドパートナーが欲しい」「妻に魅力を感じなくなり、娘からはそっぽを向かれている」といった事情から、キャバクラ通いやマッチン…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , |

    塩試合を打ち砕いた!大谷の〝打った瞬間〟スーパー3ランにMLBオールスターが感謝

    日本時間の7月17日、MLBオールスター「ア・リーグ×ナ・リーグ」(グローブライフフィールド)は淡々と試合が進んでいた。NHK総合での生中継、その解説者で元MLBプレーヤーの長谷川滋利氏が「みんな早打ちですね」と、少しガッカリしているかのよ…

    カテゴリー: スポーツ|タグ: , , , |

    新井貴浩監督が絶賛!劇画のような広島カープ野球の応援歌は「走れリュウタロー」

    プロ野球12球団にはそれぞれ、ファンに親しまれるチームカラーがある。今季の広島カープのチームカラーを象徴するシーンが7月初旬、立て続けに2つあった。まずは7月4日の阪神戦だ。3-3で迎えた8回裏、カープの攻撃。この試合前までカープは3連敗で…

    カテゴリー: スポーツ|タグ: , , , |

注目キーワード

人気記事

1
岡田監督よく言った!合計43得点のオールスター戦が「史上最もつまらなかった」とファンが怒った当然の理由
2
巨人・阿部慎之助監督のエンドラン外し「捕手の勘だった」発言に江川卓が「それはない」異論のワケ
3
認知症の蛭子能収「太川陽介とバス旅」は忘れてもボートレース場で「選手解説」ギャンブラー魂
4
レジェンドOBなのになぜ!ド低迷の川崎フロンターレ「中村憲剛」新監督案をサポーターが拒絶
5
【衝撃事実】見たのは誰だ!トランプ銃撃犯は「11分間ドローンでライブ配信」していた