スポーツ

「キズナvsオルフェーブル」因縁対決の舞台ウラ(3)復活した武が復興の星として出走

20131010z_3

 競馬界を実質的に牛耳る巨大勢力にソッポを向かれた武は「社台グループ所有=有力馬」の騎乗依頼が激減、落馬事故による体調不良も相まって、大不振に陥った。キズナでのダービー制覇は久々の雄姿だったのである。

「前田代表も『社台ばかり勝っているようじゃ、おもしろくないでしょう』と発言し、武を応援している。今年の種牡馬展示会に来ていた武は、社台グループ総帥の吉田照哉氏、ノーザンファーム代表の弟・勝己氏と一緒に写真に収まるなど、関係は改善されつつありますが、サンデーレーシングの代表で勝己氏の長男・俊介氏がネック、という話も耳にします。俊介氏は武よりも、自分と同年代の福永祐一贔屓だそうですから」(ベテラン競馬ライター)

 競馬解説者の東濱俊秋氏もこう話す。

「七夕賞(福島・GIII)があった7月7日、前田幸治氏と晋二氏が、それぞれ福島県と福島市に1000万円ずつ、災害復興寄付金を贈呈しています。これはキズナでダービーを勝った賞金の一部ということで、つまりはキズナのお金。そういう意味では、復活した武が復興の星として、日本を背負って(凱旋門賞に)出走する。武もオルフェーヴルは最強だと認識していますけど、どうにか負かしてやろう、と」

 東濱氏はさらに、武の復活ぶりについても、

「メイショウナルトで小倉記念(GIII・8月4日)を勝った時の乗り方が圧巻でしたよ。仕掛けのタイミングが、みごととしか言いようがない、絶妙なスパートだった。トウケイヘイローにしても、かつては1400メートル、1600メートルしか走らない馬でしたが、それを函館記念(GIII・7月14日)、札幌記念(GII・8月18日)の2000メートルで勝たせた。こうした騎乗ぶりを見ると、以前の不調はもう過去のこと、完全に復調したというのがわかります。凱旋門賞で勝っても不思議ではないところまで、腕が戻っていると思いますね」

 さて、両者の対決の行方はどうなるのか。前出・平松氏は言う。

「オルフェーヴルは(前哨戦が半年ぶりの)今年2回目のレースですよ。フランス入りしてからの調教内容を見ていても、そんなにビシバシ追っているわけではなかった。なのに最終追い切りで併せた相手をアッという間に突き放してすごいなと思っていたら、レースであのパフォーマンスじゃないですか。ただ、本番は斤量差(キズナ56キロ、オルフェーヴル59.5キロ)がありますし、去年オルフェーヴルが敗れたソレミアという馬はトップクラスじゃなかったわけですよ。それでも流れひとつで勝つことがある。そう考えると必ずしもオルフェーヴルが絶対で、キズナがやや劣るとは言えない気がします」

 理想はもちろん、日本馬のワンツーフィニッシュ。勝つのはどっちだ!?

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
「3Aで戦力外」藤浪晋太郎に日本ハム・新庄剛志監督「俺のところに来たら化ける」再生プランの本気度
2
「野手⇒投手転向」でもくすぶる中日・根尾昴に元監督・与田剛が「打者として開花させたかった」懺悔
3
「ドジャース構想外」佐々木朗希に降りかかる「井川慶の悪夢」と「お宝候補」トレードの可能性
4
「肝不全で急死」ミリオンヒットの増位山が断トツ!落合博満に具志堅用高…スポーツ界の「兼業歌手」たち
5
2軍でもダメ…巨人・リチャードの打撃はどこが問題か?デーブ大久保の「ワンレッグ・ステップ」分析