社会

「大阪湾にクジラ、東京湾にトド」が示唆する「日本人は平和ボケから目覚めよ」のメッセージ

 大阪湾にマッコウクジラが迷い込んだかと思えば、次は東京湾にトド出現。日本の近海で今、何が起きているのか。

 思い出されるのが昨年6月、黒海に打ち上げられた100頭以上のイルカの死骸だ。

 ロシアのウクライナ侵攻後、黒海沿岸ではイルカの異常行動が確認されており、「ロシア軍艦や潜水艦からの低周波が原因の可能性が高い」とトルコの海洋生物学者が声明を出した。

 ロシアは黒海や地中海で軍事演習を実施しており、北はノルウエーから南はモロッコまで、周辺国の軍艦が地中海に集結するなど、緊張感が高まっている。

 海洋生物は軍艦や潜水艦から出される低周波でパニックになって群れから逸れたり、岸壁に激突したり、浅瀬に座礁する。ロシア軍艦は低周波を出し、イルカをパニックにさせることで他国の軍艦から自国軍艦を守っている、と米シンクタンクに指摘されている。

 トルコでイルカが大量死したのと同じ22年6月、日本近海にも緊張が走った。6月9日から月末にかけて、ロシア艦艇5隻と中国艦艇4隻が相次いで、北海道根室沖から宗谷海峡あるいは津軽海峡を通過。伊豆諸島を通過して沖縄本島と宮古島間を通り抜け、長崎県の対馬海峡から日本海へと、日本列島を半周したのだ。

 ロシアと中国は近年、同様の日本列島縦断を何度も試みており、21年9月にもロシア潜水艦1隻と中国の駆逐艦など4隻が、北海道の宗谷岬から鹿児島の種子島まで、やはり日本列島を半周している。

 防衛省の公式発表以外にも、沖縄でダイビング経験のある人なら、ガイドや現地ダイバーに、国籍不明の潜水艦に遭遇したという話を聞いたことがあるだろう。

 とにかく岸田内閣は、ロシアと中国にナメられ放題。なにしろ、近海を好き放題に荒らされる。その上、ビザを一時停止にされている中国からの旅行者にはタダでコロナ治療を施し、日本の薬をお土産にお持ち帰りいただくというお人好しっぷりを発揮している。さらに日本の海を守るはずの海上自衛隊は、瀬戸内海で航行不能で座礁する体たらくだ。

 テレビのワイドショーは「淀ちゃん」などと呼んで大ハシャギし、衰弱したマッコウクジラがなぜ淀川河口まで迷い込んだのか、深く掘り下げようとはしなかった。岸田内閣と似たりよったりのレベルだ。何も言わずに死んでいったマッコウクジラ、そして突然姿を見せたトドは我々に、そろそろ平和ボケから目覚めろ、と伝えたかったのではなかろうか。

(那須優子/医療ジャーナリスト)

カテゴリー: 社会   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
「致死量」井上清華アナの猛烈労働を止めない「局次長」西山喜久恵に怒りの声
2
完熟フレッシュ・池田レイラが日大芸術学部を1年で退学したのは…
3
またまたファンが「引き渡し拒否」大谷翔平の日本人最多本塁打「記念球」の取り扱い方法
4
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
5
高島礼子の声が…旅番組「列車内撮影NG問題」を解決するテレビ東京の「グレーゾーンな新手法」