社会
Posted on 2025年02月16日 05:59

【ネコの鳴き声観察記】メシ要求・お土産アピール・カラスに飛びかかる時の「奇声」

2025年02月16日 05:59

 猫の鳴き声にはいろいろあり、時に意外な声で鳴く。SNSの動画などには「ニャオ」とか「ミャオ」というかわいい声が溢れているが、我が家の3匹の猫に接しているだけでも、鳴き声はバラエティーに富んでいることがわかる。

 普段はギャンブルの仕事もしているので、ギャンブル場に行った際に、マスコットの人形をいただくことがある。それを家で飾っているが、3匹のうち、上のガトーと末っ子のそうせきがどういうわけかお気に入りで、鳴きながら口に咥えて持ってくるのが習慣になっている。

 この行動は「お土産を持ってきたから遊んで」という飼い主へのアピールと解釈している。

 とてもかわいいし、面白いのはその時の鳴き声。ガトーは普段はあまり鳴かない猫で、ごはんが欲しい時に猫のお手本のように「ニャオ」とやる。ところが「お土産」を咥えてくる時は「ギャー」「ヤーオゥ」などと大声を上げる。なので、ガトーが「お土産」を持って来ると、すぐにわかる。

 そうせきの声はガトーとは全く異なる。まだ3歳になっていないから、普段は子供っぽい声で「ミー」「ミャォ」と幼く細い声を出す。お土産を持って来る時は「キー、キー!」とか「ヤーン」と叫ぶような、悲鳴に近い大声に変わる。「キー」はネズミのようだ。

 しかも2匹とも、夜中や明け方5時くらいが多いので、その声で夢の途中で起こされる。夢の中に猫の声が入ってくることも珍しくないくらいだ。

 見に行く頃には2匹とも鳴きやみ、階段の下から2階をジッと見ている。そして生意気にも「やっと気がついたのか。遅いよ。早く降りてこいよ」というような表情である。仕方なく降りて行ってかまってやるが、そのわがままぶりにムッとしたりして。

 面白いのは、その後のそうせきだ。撫でてあげればいいガトーに対して、そうせきは本気で遊んであげないと満足しない。まず床で、横に一直線に伸びをする。そのお腹をゴリゴリとさすってあげる。そうせきは当然、それをやってくれるものと思っているようだ。その時には野太い声ではなく、可愛らしい「ミー」に戻るが、ポンポンと叩いて起き上がってからが大変。「ンググググ!」とくぐもった声を発して、慌てて駆けていくのだ。その時にこちらが階段を上がろうとすると、マッハのスピードで人を追い抜くのだが、その素早さたるや、もう…。逆に階段を降りたりすると、草原を駆けるヒョウだ。13段ある階段を3、4段飛びで一気に降りていく。すごい運動能力だと思う。

 そんなそうせきを捕まえて抱っこすると、ひと言も発せず、すぐに安らかな表情で目をつぶってしまう。もう、ワケがわからない。

 真ん中のクールボーイはお土産には興味がなく、一連の騒ぎが収まってごはんをもらうのを待つ。もっとも、そうせきにちょっかいを出され、「ギャギャギャギャ」と駆けっこが始まる時もあるけど。

「ギャー」「ヤーオゥ」「キー、キー」「ヤーン」に「ンググググ」…猫の声色の七変化だ。

 ガトーとそうせきの2匹に比べると、2021年に死んだジュテは堂々たるものだった。マンションに住んでいた頃は玄関から出て、獲物を捕まえて帰って来た。ゴキブリはしょっちゅうだし、ネズミやスズメも。捕まえるとその「お土産」を咥えてやって来て「ギャアオ、ギャアオ」と大威張り。それはまるでよゐこの濱口優が「獲ったどー! 獲ったどー!」と叫んでいるようだった。

 ジュテがベランダで身をかがめ、妙な声を発したことがあった。視線の向こうにいるのはスズメやカラス。スズメはいいけど、カラスは逆にやられる可能性があるから止めたが、とにかく勇敢そのもの。そんな時の声が変わっていた。喉の奥で「キュルキュルキュル」と発し、敵を正面に見据え、腰をブルブル震わせ、飛びかかるチャンスをうかがうのだ。この時にしか聞くことができないのが「キュルキュル」。あの鳴き声は今も忘れることができない。

 大人しくて誰にも寛容で、闘争本能がすごい。あんな猫にはもうお目にかかれないだろうと思う。

 鳴き声は十人十色ならぬ十猫十色。猫を飼ってみて初めてわかることだ。

(峯田淳/コラムニスト)

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