東京の3400メートル、ダイヤモンドSを楽勝したへデントールは、菊花賞でもアーバンシックの2着に頑張った現役屈指のスタミナ自慢。この天皇賞・春では鞍上が戸崎からダミアン・レーンに唐突に替わるが、それだけノーザンファームの期待が大きいから─という解釈で間違いない。
レーンといえば、23年の短期免許で来日した時に、ステッキ(ムチ)の使用過多を繰り返して過怠金10万円まで到達(戒告、1万円、3万円、5万円、7万円、10万円と、違反を繰り返すたびに罰金が多くなる)してしまった人。つい最近もオーストラリアンオークスで優勝したものの、同様の違反を犯し、騎乗停止と罰金を科せられている。叩き癖は相変わらずのようだ。
とはいえ、馬券を買う側からすれば、ペナルティー覚悟で一生懸命追ってくれる騎手を嫌う必要はないわけで、ここも手加減なしで追いまくってへデントールを優勝に導く可能性は高い。かなり堅い連軸という見立てでいい。
戦ってきた相手を比べれば、ジャスティンパレスはむしろ格上だが、最近はスタートで後手に回るのが常態化しており、信頼度は低下中。
それなら、サウジアラビアで3000メートルを快勝して帰って来たビザンチンドリームに、より大きな魅力を感じる。一時は低迷していたが、菊花賞でシュタルケが5着に持ってきて、一気に輝きを取り戻した。今回もシュタルケが鞍上。日本では地味なイメージだが、実は立派な凱旋門賞ジョッキーなのだ。
ハヤテノフクノスケは、青森の星。菊花賞8着の頃はまだまだ上位とは壁がありそうだったが、ここ2戦は殻を破ったような鋭い勝ち方。父ウインバリアシオンの名を高める大駆けがあるとすれば、今回かもしれない。
プラダリアは、ベラジオオペラを破ったこともある実力馬。位置取りが厳しい松山に替わるのは魅力で、配当的に押さえたい1頭。中山がうますぎるマイネルエンペラーは、京都だけに押さえ。サンライズアースは、楽に逃げたとしてもへデントールの目標にされるだけに評価は控えめ。スタミナ勝負ならワープスピードも浮上できる。
ショウナンラプンタ、ブローザホーンは、人気ほどの勝ち味を感じない。
NHKマイルCは、ファンダムが出てくれば不動の中心だが、現時点ではダービーに行くと読みたい。
となれば混戦で、ヤンキーバローズの切れ味の鋭さを買いたい。上村厩舎はゾーンに入っている状態で、今年はかなりの成果を上げそうだ。アドマイヤズームもよくなってきそうだが、イミグラントソングも争覇圏内。辻厩舎は、この馬がいるからこそ、ファンダムをダービーに向かわせると思うのだ。