4月13日、大阪・関西万博の初日に和装姿で花を添えたのは「日本館」の名誉館長を務めた女優の藤原紀香(53)だ。無報酬で大役を務めた裏には、苦境を跳ね飛ばす権謀が見え隠れしている。
昨年末、藤原の所属事務所が巨額の負債を抱えて突然の倒産。藤原への未払金があったことも発覚している。
「そもそも2016年に歌舞伎俳優の片岡愛之助(53)と再婚してからは“梨園の妻”としての仕事が多く、芸能活動はセーブしてきた。タレント、女優業も年に数回は仕事を入れていましたが、以前のようにフル回転するわけにはいかず、バランスを取るのが至難の業でした」(芸能プロ幹部)
大手芸能プロのバックアップを受けつつ担当マネージャーと一緒に独立の形で再出発となったが、これを転機にすべく懸命の挽回作戦に出ている。
「依然としてドラマ、映画など長期間拘束される女優業は極力避けたいですが、昨年は愛之助が舞台稽古中の事故で収入が途絶えてしまい、『夫婦共倒れするのではないか』と、ひいき筋にも心配されていたこともありました」(前出・芸能プロ幹部)
6〜7月には東京、大阪で舞台「サザエさん」の再演も控えるが、時流に乗って“ねじ込んだ”のが先の万博案件だった。
兵庫県西宮市出身で、トークバラエティーでは今でも関西弁を話す藤原。当然、地元の関西で行われる世界最大級の祭典に“ノリ”遅れるわけにはいかなかった。
「もともと社会貢献活動には熱心で、世界から来場する人々を元気づけることはお手のものです。梨園の世界で身につけたおもてなし、作法を存分に活用できる仕事が、歌舞伎役者を支える妻としての“イメージアップ”につながると事務所側が提案すると、本人も『これはいける!』と、すぐに飛びついた。万博での活動を伝えるSNSでは、わざわざハッシュタグに“無報酬”と入れてアピールしています」(在阪メディア記者)
所属事務所倒産の負のイメージを早期に“V字回復”させる腹積もりがありありなのだ。
「荒波の芸能界で活動してきた藤原は、そう何度も再浮上のチャンスが訪れないと考えています。そのため『これが最後の大勝負』と覚悟を決めている。反応がいいのは、やはり関西のメディアやスポンサー。これまでは『最盛期が過ぎた藤原をわざわざ起用するメリットはない』との判断でしたが、万博で前面に出てから一転して『紀香さんを使ってみようか』という機運が高まっている。万博自体は10月半ばに閉幕しますが、来春以降は熟女ながらも親しみやすさと品を保つ藤原が再ブレイクする可能性が十分にあります。おもてなしの精神を世界に発信するため、訪日外国人観光客を相手にしたインバウンド事業を新たに立ち上げるとの構想もあるようです」(広告代理店関係者)
開会前はマスコミの猛バッシングにさらされた大阪・関西万博も、したたかな狙いを定めた藤原効果に後押しされるだろうか。