「2000円の備蓄米」販売をめぐり、党に諮る手続きを経なかったと、小泉進次郎農相を批判した野村哲郎元農相が大炎上中だ。
野村元農相は、森山裕幹事長が出席した鹿児島県鹿屋市の会合で、進次郎の父、小泉純一郎元総理を引き合いに出して、
「自分で決めて自分で発表してしまう。ルールを覚えてもらわないといけない。森山先生から『チクリ』とやっていただかないと、今後が心配だ。われわれが言っても聞かない」
絵に描いたような「昔ながらの老害議員による若手議員潰し」を展開したのである。
野村元農相がこれまで献金やパーティー券代を受け取ってきた業界団体はJA関連団体、鶏卵業界、全国たばこ販売政治連盟や全国たばこ耕作者政治連盟…と農林水産省利権ズブズブである上に、政治資金収支報告書への記載漏れを指摘されてきた人物だ。献金額はJA関連団体だけでも10年間で7000万円超えと、「週刊文春」が報じたばかり。主食のコメ価格が高騰しても、コメ生産者の手元に届かないのは、こういう「中抜き自民党議員」「中抜き業者」がいるからなのだろう。
JA=悪というわけではない。コメ生産量が毎年8万トンずつ減っている惨状に危機感を持ち、2018年からブランド米の産地、東北や中越のJAでは「減反廃止」「生産量抑制に反対」方針を打ち出していた。これに対し、野村元農相に巨額の献金をしてきた、鹿児島県をはじめ九州のJAは従来の「生産量抑制」を主張してきた。薩摩の会津イジメが今も続いているのである。
野村元農相や失言の江藤拓元農相と農林水産省のタチが悪いのは、中越や東日本、能登半島と北信越…被災地のコメ生産者を減反政策でイジメてきたことにある。農水族議員に配るほどカネもコメも余っているなら、まずは九州のコメから減反してはどうか。
(那須優子)