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記事全文を読む→中国で続々公開「反日映画・ドラマ・写真展」が超ショッキング!過激化しすぎて「取り締まり」が…
仰向けに寝転がって膝を抱え、上体を起こしながら胸に引き寄せる。そして息を吐きながら足を下腹に押し付け、この動きを数回繰り返す。これがヨガでいうところの「ガス抜きのポーズ」だ。
人間誰しも、腹にガスが溜まれば体調を崩す。これは国民感情とて同じことだ。だからこそ、独裁者は政府にその矛先が向けられないよう、時として国民の「ガス抜き」を実行する。だが毎度、ガス抜きに使われる方は、たまったものではない。
今年を戦後80年にあたる「抗日戦争勝利80年」と位置づける中国では9月3日、北京市で大規模軍事パレードが予定されるなど、国家を挙げたイベントが待っている。そして中国国内では、日本人が行ったとされる極悪非道な行為を描いた映画や写真の展示会などが、次々と催されている。
7月25日に公開スタートした映画「南京照相館」は、旧日本軍が多数の中国人を殺害したとされる「南京事件」(中国側の主張によれば、犠牲者は30万人)を題材にしたものだ。さらに7月31日に公開されるのが、旧日本陸軍が創設した秘密機関「731部隊」をテーマにした、タイトルもズバリ「731」という、バリバリの抗日映画。
731部隊は、正式名が「関東軍防疫給水部」。現・黒竜江省ハルビンに本部を置いた同部隊では、ペスト菌などを用いた細菌兵器が開発され、戦禍で実際に使用されたり、あるいは中国人捕虜に使ったことなどが、膨大な資料や研究、証言者の談話などから明らかになっている。
この映画、内容もさることながら、映像があまりにもショッキングとあり、中国の映画関係者からは「残忍な暴力シーンがあまりに多すぎるため、予定通りに全編を公開できるかどうかわからない」のだと。そんな声が逆に映画動員数アップを後押ししている、といわれている。
中国官営の「環球時報」などによると、近年の中国国内における「抗日」をテーマにしたショートドラマなどがあまりにも過激化したことで、当局が取り締まりを強化。ネットを含め、中国の映像を統括する機関「国家広播電視総局」が、抗日戦争の内容を過度に誇張せぬよう関係各位に通達した、と伝えている。
とはいえ、当局が指定するガイドラインは、あくまでも「歴史的事実に基づいて製作しなさい」というもの。中国側が認識する事実であればかまわない、と言っているも同然であり、「とりあえず、やっていますよ」的なポーズでしかないのだ。
2022年の「ゼロコロナ」対策で大失敗した習近平政権。積もりに積もった国民の不満は白紙運動という形で中国共産党に向けられたが、その矛先をうまく逸らしたのが、東京電力福島第一原発処理水の海洋放出をめぐる言いがかりだった。
この強硬姿勢が庶民の反日感情を扇動。結果として国内の不満をガス抜きする形になった。だが、不動産不況や失業率悪化で、またも人民の不満がマグマのように溜まっている。そんなタイミングと都合よく重なったのが、「抗日戦争勝利80年」だったというわけだ。
ただし、反スパイ法改正などで、中国から撤退する外資が増える中、中国としてもこれ以上、日本との関係を悪化させたくはない、というのが本音だろう。日本を使って適度にガス抜きする一方で、適度な距離を置きながら交渉を優位に進めたいなど、虫がいいにもほどあがる。そんな厄介な隣国との関係を、我が国も腹を据えて考えるべき時に差しかかっている。
(灯倫太郎)
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