事件

“川崎老人ホーム惨殺事件”介護士・今井隼人容疑者の素顔とは?(1)事件の経緯

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 昨年9月、川崎市の老人ホームで相次いで入居者の転落死が表面化してから疑惑の目を向けられた男がついに逮捕された!冷血な仮面をかぶった殺人鬼は一貫して否認を続けていたが、ついに3件の殺しを全面自供。職場で「女」に見栄を張り、地元では「キレ」て店員を威嚇していた殺人介護士の素顔を暴いた!

「うぉーっ!」

 神奈川県川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で14年末に入所者の男女3人が相次いで転落した「死亡事故」は一転、「連続殺人」として急展開を迎えた。2件目の転落死が起きた夜には、冒頭の叫び声が転落現場の周辺に響いたという。

 近隣住民が振り返る。

「深夜に男性と女性が言い争うような声が聞こえてきました。何を話しているのか、ハッキリとは聞こえなかったのですが、急に静かになったと思ったら、短い悲鳴のような叫び声が聞こえ、ドスンと地面に響く音が聞こえたのです」

 神奈川県警は2月15日、丑沢民雄さん(当時87歳)を投げ落として殺害したとして、施設で働いていた元職員の今井隼人容疑者(23)=横浜市神奈川区立町=を逮捕したのだ。

 昨年9月に3人の転落死が表面化してから、いずれの時間帯にも勤務していた今井容疑者は、「殺人犯」として疑いの目を向けられていた。1月30日から県警が事情聴取を開始しても、事件への関与を一貫して否定。その後、2月13日までの聴取でも、「関係ありません」と仏頂面を崩さなかった。その翌日、捜査が動き始める。今井容疑者から捜査員に、

「気持ちを整理したい。休みたい」

 と連絡があったのだ。そして15日、聴取に応じた今井容疑者は、

「‥‥本当のことを話さないといけないと思った」

 と語り始めたという。

「同居している母親に、事件に関与していることを相談し、警察でちゃんと話すように説得されたようです。転落させた経緯については、『入所者の言動に腹が立った』『むしゃくしゃしていた』などと説明し、女性2人の殺害も認めています」(捜査関係者)

 同施設に入居する丑沢さんを惨殺した状況は、きわめて冷血なものだった。

 14年11月3日の午後11時から翌4日午前1時50分頃の間、施設には3人の職員が勤務していた。1人が仮眠を取り、もう1人が巡回を終えて戻ってきたのを確認すると、今井容疑者は丑沢さんが寝ている403号室に歩を進め、悪魔の言葉を耳元でささやいた。

「外に出ませんか」

 丑沢さんは危険を察したのか、抵抗する姿勢を見せたが、無理やり起こされると、今井容疑者に腰元を支えられ、401号室のベランダに連れていかれた。そして、丑沢さんを力強く抱きかかえると、迷うことなく暗闇に放り投げた。

「人目を避けて事故を偽装するため、生け垣やサクで外部から見えづらい施設の裏庭に投げ落としました」(前出・捜査関係者)

 それから何事もなかったように仕事に戻った今井容疑者は、タイミングを見計らって、第一発見者を装い、遺体を見つける。その理由について、殺人容疑での逮捕後、今井容疑者はこう供述している。

「4階を担当していたので、遺体の発見が遅れると見落としたことになり、自分にとってマイナスになると思った」

 心配する振りをしながら、内臓破裂した丑沢さんの救命措置をするのだった。

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