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記事全文を読む→稀勢の里「大逆転V2」を決めた48時間“緊急治療”全内幕!(2)決戦前夜の「作戦会議」で…
横綱の土俵入りでは、肩から二の腕、胸回りをガッチリとテーピングで固めて登場。だが、かしわ手は消え入りそうな音だった。
「出番前の稽古では、付け人を相手にもろ手でぶつかったり、左を固めて組んだりと、立ち合いを試していた。一度だけうめき声を上げるシーンがありました。得意の左で突き放すような動きをした時でしたね」(民放局記者)
14日目の横綱鶴竜戦。星が並んでいた大関照ノ富士は琴奨菊を退け、1敗を堅守。だが稀勢の里は鶴竜にもろ差しを許し、2秒5であっけなく寄り切られた。
「取組後に鶴竜が『当たった瞬間から力が抜けていた』と心配するほどで、誰もが『やっぱりダメか』『怖くて左から当たれないんだな』と口にしていました」(前出・民放局記者)
支度部屋に戻ると風呂には向かわず、トイレでテーピングを外して会場をあとにした。
だが、稀勢の里陣営は諦めていなかった。本人が優勝後のインタビューで「いろんな先生方にたくさん来てもらって、必死に治療してもらった。あとはやるだけ、という状況にしてくれた」と感謝したように、決戦前夜までありとあらゆる治療が施されたのだ。
「稀勢の里は付け人に『まだ右手がある。右手1本で戦う』『上(半身)がダメなら(下半身で)動き回ればいい』『寝ていればもう少しよくなる』と話していた」(相撲協会関係者)
千秋楽の朝は稽古場に降りて、四股を入念に繰り返した。そして前日まで隠していた患部もさらけ出す。報道陣はこの時に初めて、直径20センチほどに広がる赤黒いアザを目の当たりにしたのだった。スポーツ紙記者によれば、
「土俵下で押さえていた個所と微妙に違い、上腕二頭筋あたりのケガらしいことがわかりました。同じ個所を痛めた経験のある親方は『一晩でグッと和らぐケースもある。しっかりと固定さえしていれば、おっつけたり動き回ったりすることはできるんじゃないか。昨日のようにあっさりと捕まらなければ、チャンスがある』と話してくれました」
照ノ富士との決戦前夜、稀勢の里は部屋付の西岩親方(元関脇若の里)と「作戦会議」を行っていた。前出・民放局記者が語る。
「実は照ノ富士は13日目の鶴竜戦で左膝を痛めていたんです。それまで片膝に1カ所だったサポーターを14日目には左膝だけ上下2カ所に巻いていた。西岩親方はその情報を耳にし、『左、左へ回り込め。そうすれば、相手の左足はついてこられない。そこがチャンスだ』とアドバイスしたようです」
6人の付け人が支度部屋のモニター前で手を合わせ、祈るように見守る中、作戦はズバッとハマる。本割は左でおっつけながら右に回り込みながらの突き落とし。優勝決定戦でももろ差しを許すピンチを迎えながら冷静に後ろに下がり、右に動く。左足が前に出ない照ノ富士に対し、巧みに体を開きながら相手の左腕をがっちりと巻き込んで右からの小手投げを放ち、大逆転Vを実現したのだ。
「もともとの師匠である先代鳴門親方(元横綱隆の里)は常々、『相撲は土俵際がおもしろい』と話していた。稀勢の里は先代の戦いぶりを収めたDVDを何度も見ている。だからこそ最後まで諦めずにチャンスをうかがい、初めてやったという右小手投げもきれいに決められました」(スポーツ紙デスク)
初優勝からの3連覇は、37年の横綱双葉山にまで遡る。ケガを克服し、来場所は80年ぶりの偉業に挑むことになる。
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