社会

年間8億円荒稼ぎの「ボッタクリ帝王」が明かしたワル手口(2)治療費、休業補償、迷惑料

 スキンヘッドは店に連れ戻され、店内で豹変した影野氏におびえている。

「どうする気だ!? 飲み代を踏み倒して。金がないのか?」

 アヤカは金を持ってると合図をくれる。アヤカは影野氏の仲間だが、この場ではスキンヘッドの連れだ。しかし、影野氏は次の瞬間、すさまじい形相でアヤカをにらみつけると、アヤカの髪を引っつかみフロアに転がした。

「コラァ! 金を払う気がないなら、この姉ちゃんをソープにでも沈めるか!?」

 さらには膝をついたまま上体を起こしたアヤカの太腿を思い切り蹴とばす。

「キャア~、痛い! ワ、ワタシ、何にもしてないじゃない!」

 泣き声で叫ぶアヤカの姿に、スキンヘッドがようやく口を開く。

「やめろ! その子は関係ない」

 芝居とはまったく気づかないばかりか、彼女に気がありそうな様子だ。

「客に直接手をかけないで、連れの女(キャッチガール)に暴力を振るって威嚇するのはキャッチバーの常套手段だよ」(影野氏)

 案の定、スキンヘッドは降参した。

「わかった! 金は払うから、その子を離せ」

 スキンヘッドはれっきとした「坊主」だった。しかも法事の帰りらしく、「お布施」と書かれた分厚い封筒をカバンの中に持っていた。

 この夜の坊主の支払いはこうだ。飲食代が18万。傷つけたテーブル代5万とイスが2脚で4万。その運搬用のレンタカー代が3万、運搬作業のバイト代で2万。ガソリン諸経費にも1万。穴をあけた壁の修理代に10万ほど、それに消費税。ケガをした従業員の治療費、休業補償、店の迷惑料で100万。総額148万を払った坊主はすっかりしょげて、まだキャッチとも気づかずにアヤカと始発の駅に向かったのだった。

「ボッタクリは最後が大事で、いちばん難しい。ガールキャッチだとバレて警察に連れて行かれたら元も子もないからね」(影野氏)

 女帝・アヤカはもめることなく駅前近くの路上でサラリと別れた。この一件でのアヤカの取り分は46万6000円だった。

笹川伸雄(ジャーナリスト)

カテゴリー: 社会   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
2
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
3
「コーチに無断でフォーム改造⇒大失敗」2軍のドン底に沈んだ阪神・湯浅京己のボコボコ地獄
4
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係
5
【大騒動】楽天・田中将大が投げられない!術後「容体不良説」も出た「斎藤佑樹との立場逆転」