芸能

ビートたけしの名言集「映画・小説・新書で殿が三冠達成の快挙!」

〈快挙! たけし三冠達成!〉

 10月中旬、ネットニュースにこんな見出しが躍りました。説明します。映画「アウトレイジ最終章」が公開週に観客動員1位を獲得。現時点で10万部を突破した小説「アナログ」も、発売直後から紀伊國屋書店新宿店やアマゾンの小説部門で売り上げ1位。さらに、つい先日発売になった新書「バカ論」も紀伊國屋書店全店の新書部門で1位。これが三冠の内訳です。

 で、いつもどおり、「殿、三冠達成! おめでとうございます。いや~、やることなすこと全部うまく行ってますね」と、弟子として大切な“師匠を誰よりも気持ち良くさせる”仕事を、何のてらいもなく発動させると、殿はすぐさま、「うん。これで印税なんかがドカッと入ってくるな」と、やや真剣なトーンでリアルな言葉を漏らすと、続けて、

「『アナログ』は本当に会う人会う人に褒められるな。昨日も、映画の取材で会ったあんちゃんに、“たけしさん、『アナログ』最高でした。これからもどんどん小説を書いてください”なんて言われたよ」

 と、“何よりも小説を褒められるのがうれしい”といった心情をあらわにしていました。この時、〈殿をもっと気持ちよくさせたい〉と思ったわたくしが、「殿、次の小説のアイデアはあるんですか?」と、実は2週間程前に、一度聞いていた、次回作の構想について、何も聞いてないフリをしてお聞きすると、殿は“よくぞ聞いてくれた”といった感じで、「小説にするか、映画にするか、まだ決まってはいないけどな」といった前フリを入れた上で、かなりはっきりと形になっている、2つある次回作構想を、じっくりと語り出したのです。そして、3分程かけて語り終えると、

「一度、軽くまとめたいから、お前、来週ちょっと電話するから、パソコン持ってきてくれよ」

 と、実に半年ぶりに、“殿がしゃべったことをまとめるお仕事”を振ってきたのです。ちなみにこの作業、あらかじめ殿が大学ノートに箇条書きしておいたシノプシスを見ながら、殿がまるで落語のように、会話までも一人でしゃべりながら、だいたい1時間程かけて物語を肉付けしていき、その語りをまとめたものを一度プリントアウトして殿に届ける。それをもとに、最後は殿が一人で小説の形にしていくやり方です。殿とまったくの二人きりで行われる、“誰よりも先に次回作を聞ける、ある意味、ぜいたくなこの作業”が、わたくしは大好物です。

 で、ひとしきり次回作で盛り上がった後、話題がまた三冠達成に再び戻ると、

「あれだな。〈たけし 今年は18冠達成!〉とか何とか書いてよ。映画、小説のほかに、〈モンドセレクション受賞〉とか、〈カーオブザイヤー受賞〉とかウソばっかり言ってる遊びをやるか!」

 と、小説家でなく、いつもの、ふざけることが大好きな芸人・ビートたけしに戻り、周囲を笑わせる殿なのでした。

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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

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