小泉進次郎氏が防衛相に就任した矢先の10月22日、北朝鮮が久々に弾道ミサイルを発射した。首都・平壌に近い地域から、北東方向へ数発。およそ350キロ飛行し、北朝鮮北東部に着弾した。「日本の領海や排他的経済水域(EEZ)への飛来は確認されていな...
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2013年8月、そんなヨンヒを震え上がらせるできごとが起こる。銀河水管弦楽団をめぐるスキャンダルである。金正恩の妻、李雪主も歌手時代に所属していた人気楽団だ。「夕方、急に学内放送で4年生は姜健総合軍官学校に集まるように指示がありました。姜健...
記事全文を読む→ヨンヒの恋はあっけなく終わる。日々、マンション建設に動員され、ろくに勉強もできなかったが、たまの休み、ソンオクと過ごす時間は楽しかった。2012年の秋、平壌八景のひとつ、牡丹峰にある乙密台がその舞台となった。2人は楼閣のそばで夕暮れ迫る大同...
記事全文を読む→平壌でヨンヒは恋人にめぐりあう。彼は次世代をになうエリート科学者だった。しかもルーツは同じ在日。建設労働はむなしくても、デートは楽しかった。だが、2人に突然の別れが訪れる。そして再び目にする残忍な処刑‥‥。好評連載第4回は孤独を深めていくヨ...
記事全文を読む→金正恩総書記の娘、ジュエ氏が「姿を消した」として、米韓日の情報関係者の間で波紋が広がっている。10月10日に行われた朝鮮労働党創建80年の軍事パレードは、北朝鮮が国家の威信を誇示する最大級のイベントだ。ところが、2年前の同パレードで世界の注...
記事全文を読む→最愛の父の死。後ろ盾を失い、ヨンヒの前途は曇りだす。だが、涙にくれるいとまもなく、またも命令が下る。平壌の10万世帯マンション建設にエリート学生も駆り出されることになった。金日成生誕100年を迎える2012年4月15日までに完工せよ、と。さ...
記事全文を読む→10月に入ると、新しい命令が下る。こんどは革命の聖地・白頭山の踏査だという。金日成率いる抗日パルチザンゆかりの戦跡地を赤旗を掲げ、行軍スタイルでめぐり歩くのだ。標高2744メートル、朝鮮半島の最高峰を極める登山はただでさえつらい。しかも山頂...
記事全文を読む→平壌の名門大学に入学したヨンヒを待ち受けていたのは、波乱の日々だった。軍への体験入隊、疲労困憊のマスゲーム、過酷な建設労働、そして支えだった愛する父の死‥‥。好評連載第3回は、金正恩体制への幻滅を抱きだすヨンヒの揺れる心をお伝えする。運命と...
記事全文を読む→富裕層とはいえ、在日をルーツにするヨンヒにはハンディがある。娘の大勝負、母は念には念を入れたわけだ。2008年春、ヨンヒは大学の門をくぐる。制服はグレーのブレザーに紺のスカート、胸の校章バッジが誇らしかった。名門大学で懸命に学び、いずれ労働...
記事全文を読む→そんなヨンヒは自宅から歩いて通える北城中学(6年制)の4年に編入する。「恥ずかしかったけど、先生に打ち明けたんです。ピアノは10年やりましたが、勉強はわかりません。でも、平壌医学大学に行きたいって。先生はきょとんとした顔をしました。英語はま...
記事全文を読む→平壌に着くなり、母は物件探しに奔走する。元山で食堂を成功させた商才がある。むろん、不動産屋があるわけではない。親戚や帰国者人脈がものをいう。ようやく1年ほどして高麗ホテルの地下1階に空き物件が出た。月2000ドルの家賃を管理する観光総局に払...
記事全文を読む→生まれ育った元山で友人の母の処刑を目撃したヨンヒ。残酷な記憶を封印し、エリート層の暮らす首都・平壌に引っ越した。そこは高級ブランド品も手に入る、まるで資本主義のような社会だった。好評連載第2回は知られざる平壌富裕層の生々しい実態をお届けする...
記事全文を読む→国内のあらゆる事象が謎に包まれている独裁国家、北朝鮮。国営メディアが「偉大嚮導者」と呼び始めたのは、金正恩総書記の娘だ。国際的イベントの場に同行させるなど、にわかに露出を拡大させていることで「金正恩の後継者」との分析がなされているが、実は「...
記事全文を読む→ヨンヒが中級班の3年のときだった。朝、登校したら、その友だちがきていない。翌日もこない。ほどなくして夜、マンションで人民班会議が招集された。住民による隣組で、党の指示伝達や相互監視を目的としている。「あす午後、競技場に集まれ、班長はそれだけ...
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