スポーツ
Posted on 2016年08月07日 09:59

夏の甲子園でスターになれなかった男たち(1)大谷翔平の二刀流への布石となった一撃

2016年08月07日 09:59

20160807ootani

 現在の日本プロ野球界で唯一の“二刀流”として球界を席巻する大谷翔平(現・日本ハム)。だが、こと甲子園での活躍はというと、わずか2試合の出場しかない。

 初の甲子園は2011年夏。2年生ながらすでに花巻東高校のエースナンバー1を背負っていた。だが、初戦の帝京(東東京)戦では先発投手ではなく、3番ライトで出場。初登板は2-4とリードされた4回表1死一、三塁のピンチの場面。この回は1失点で切り抜けたものの、5回に3安打を浴び2失点。そして、チームが7-7と同点に追いついた直後の7回表に長短打を打たれ1失点。結局これが決勝点となり、大谷は5回2/3を投げて被安打6の3失点で敗戦投手になってしまった。今では信じ難いが、奪三振もわずか2つだった。

 一方で、打者としての大谷はこの試合、3打数1安打。その1本が6回裏に一時は同点に追いつくレフト前への2点タイムリー。大谷はこの翌年の12年春の選抜にも出場。そこでは大谷と並ぶ大会の注目選手と目された藤浪晋太郎(現・阪神)の大阪桐蔭といきなり初戦で激突することになった。投手・大谷は5回表まで大阪桐蔭打線を2安打無失点に抑えたものの、6回表に2つの四球と長短打を浴びて一挙に3失点。7回には本塁打を打たれるなど、8回2/3を投げて被安打7、与四死球11で9失点(自責点5)。大阪桐蔭打線の強力打線の前に一敗地にまみれた。それでも意地の11奪三振は他ならぬ大谷の実力の片鱗といえた。

 かたや打者・大谷と大阪桐蔭のエース藤浪の対決は3打数1安打。その1安打が2回裏の花巻東の先制点となった右中間への本塁打だった。

 そして迎えた大谷にとって最後となる3年生の夏。その県大会準決勝の一関学院戦で高校野球史上初の160キロをマークしスポーツ紙などを一斉に賑わすも、決勝では今回の大会も岩手県代表で出場する盛岡大付戦で3ランを浴びるなど3-5で敗退。あと一歩、甲子園には届かなかった。

 甲子園の通算成績は投手としては14回を投げ、防御率3.77、16奪三振。打者としては6打数2安打、打率3割3分3厘、3打点。とても「大スター」と呼べる特筆すべきものはない。しかし、高校生には難攻不落と言われた藤浪から、大谷が放った目の覚めるような一発こそ、その後の二刀流への布石だったことは間違いない。

(高校野球評論家・上杉純也)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    事件
    2026年09月16日 20:30

    「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」は、広島カープに大きな衝撃を与えた忌まわしいブツだ。元広島カープの羽月隆太郎氏にこれを譲り渡したとして医薬品医療機器法違反の罪に問われた会社役員・滝口涼介被告の初公判が9月16日に広島地裁で...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    事件
    2026年09月21日 13:30

    沖縄県の新知事、古謝玄太氏の周辺がキナ臭くなっている。9月13日の沖縄県知事選では開票0%で当選確実が出たが、9月16日にX上で「浮島龍美」を名乗る人物が古謝氏の家族の通学先、関係先を特定、拡散。17日になってもネット上の愉快犯が浮島氏の投...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年09月23日 15:45

    長年、親しまれた「Suicaのペンギン」の後釜は、どのキャラになるのか。JR東日本が進める「Suica」の新キャラクター選びが、思わぬ波紋を広げている。現行のペンギンは2001年のサービス開始から、カードや駅の案内でおなじみの存在。今回の交...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/15発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク