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記事全文を読む→世界の福本豊<プロ野球“足攻爆談!”>「野球人生が変わる『夏の甲子園』」
最高の季節がやってきた。朝は大谷、昼は夏の甲子園、夜はプロ野球。1日中、野球が見られる。6日に開幕する甲子園大会。どんなドラマが生まれるか、楽しみや。地方大会では智弁和歌山が初戦で敗れ、センバツ王者の山梨学院も敗退した。一発勝負はほんまに何が起きるかわからん。
テレビの前に釘づけとなったのが大阪大会の決勝。大阪桐蔭と履正社の試合はレベルが高かった。技術だけでなく、体もごっつくて、僕らの頃とは全然違う。昔は130~140キロで速球派やったけど、今は150キロ出ても驚かない。だけど、1年生の時からプロ入り間違いないと言われていた左腕・前田をもってしても、履正社打線は抑えられなかった。先輩たちは大阪桐蔭にことごとく敗れていたけど、今回は見事な力勝ちやった。
各地の試合では微妙な判定が話題になることもあった。そら、プロの審判でもクロスプレーは間違いが多い。暑い中、ボランティアでやってくれている審判の人たちもミスはある。今の時代はユーチューブなどの動画でその判定ミスが出回るから、ほんまに大変や。VTRで検証するリクエスト制度があった方が精神的にはかなり楽になると思う。それがないのは選手もそうやけど、審判もかわいそう。野球は一つのプレーで勝敗が左右されるスポーツ。難しいのはわかるけど、審判の人たちに正確なジャッジをお願いするしかない。甲子園に出るか、出ないか。甲子園で勝ち進むかどうかで、その後の野球人生が変わってしまう。
僕も甲子園に出場したからこそ、プロ野球選手への道が開けた。当時、大阪大会の優勝チームは毎年、韓国代表チームとの試合が組まれた。その年は日本で行われ、松下電器の監督が視察に来ていた。それが入団の誘いにつながった。高校時代は1年生から試合に出してもらったけど、先輩たちにはよくしごかれた。殴られてうまくなるのなら我慢するけど、そうではない。大学に行っても同じような目にあえば、我慢できていたかわからない。いじめがない社会人チームに入ってよかったし、プロ注目の加藤秀司とチームメートになったことで、阪急のスカウトの目にもとまった。
振り返ると、運がよかったとしか言いようがない。最後の夏はまさか甲子園に出られると思っていなかった。予選で負けることを想定して、仲間と旅行の計画を立ててたぐらいやから。準々決勝ぐらいから「もう負けるやろ」「また勝った」の繰り返しやった。特に準決勝で当たった優勝候補のPL学園は、ユニホームを見ただけで圧倒された。負けてもともとの無欲の勝利。決勝の興國も格上のチーム。勝てるとは思っていなかった。でもラッキーやったのは、大阪学院と当たらなかったこと。1学年下の江夏豊の球は絶対に打てないと思っていたから。
結局、甲子園では初戦の秋田高戦で延長13回にサヨナラ負け。センターの僕と二塁手がお見合いしてしまい、ポテンヒットがサヨナラ打となった。当時の仲間とはいまだにその話が出るけど、今となってはいい思い出。今年の球児も最高の経験ができるはず。個人的に楽しみにしているのは阪急のユニホームそっくりの北陸がセンバツに続いて出場すること。花巻東の怪物・佐々木麟太郎も最後の夏にやってくる。どでかいホームランを見せてほしい。
福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。
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