社会

JR城端線と氷見線が「あいの風とやま鉄道」に移管で誕生する「観光列車王国」

 富山県と沿線自治体でつくられる「城端線・氷見線再構築検討会」が、JR城端線とJR氷見線を、第三セクター鉄道の「あいの風とやま鉄道」に経営を移管する「鉄道事業再構築実施計画」を取りまとめ国に申請した。認可されると、JR城端線とJR氷見線はあいの風とやま鉄道に移管される。

 城端線は高岡駅(富山県高岡市)と城端駅(富山県南砺市)までの29.9kmを結ぶ路線。氷見線は高岡駅と氷見駅(富山県氷見市)の間を走る路線距離16.5kmの短い路線。移管されると2つの路線で直通運転が開始される。

 鉄道ファンは移管を期待しているという。魅力的な観光列車が誕生する可能性があるからだ。

 城端線と氷見線では観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」(写真)が運行されている。寿司職人が乗車して、車内で富山湾の新鮮な海の幸を使ったお寿司を握ってくれることで人気。城端線では里山の景色が、氷見線では車窓から海岸が楽しめる。しかし、今は一度に楽しむことができないのだ。直通運転が始まれば、城端駅から氷見駅まで運行される可能性はある。

 あいの風とやま鉄道は観光列車「一万三千尺物語」を運行。富山駅(富山県富山市)から泊駅(富山県下新川郡朝日町)まで富山湾に沿って走り、日本海の美しい景色が車窓から広がる。反対側を見れば3000m級の山々が連なる立山連峰が見え、海と山をまとめて堪能できる。一万三千尺物語が高岡駅を通って城端線と氷見線に乗り入れれば、よりスケールの大きな観光列車が誕生する。ただ一万三千尺物語の車両は電車で、非電化の城端線と氷見線に乗り入れることはできないが、新たな車両を作ることで解決するかもしれない。鉄道ライターによると、

「城端線と氷見線をあいの風とやま鉄道に移管するにあたり、車両をすべて新型車両に置き換えることになっています。さらに現在の24両から10両増やすことも決まっています。このうちの数両が観光列車用として製造されれば、あいの風とやま鉄道線と城端線、氷見線を走る観光列車ができるかもしれません」

 そうなれば富山の魅力を一度に味わえる観光列車になるはず。一万三千尺物語とベル・モンターニュ・エ・メールも運行が続けば、観光列車王国が誕生することに。鉄道ファンならずとも楽しみだ。

(海野久泰)

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