芸能

あの「日活ロマン映画美女」直撃(1)原悦子「ハードコア強要で卒業を決意」

 70年代後半、世の男子学生の青春そのものとして、愛らしい存在感を発揮した女優・原悦子(63)。現在も変わらぬ可憐さを保つ彼女が語る、「ロマン映画」秘話を─。

 19歳から1年間、大映の第一演技研究所で演技レッスンを受け、女優への道を歩み始めた。

「並行して『平凡パンチ』誌でメイトガールとしてグラビア活動もしていました。載るたびに、じわじわと大学生のファンが増えていった実感がありましたね」

 76年にはピンク映画から出演オファーを受ける。

「すべてを引っくるめて“女優の仕事”なので、女優を志した瞬間から覚悟は持っていました。ベッドシーンの演技もそう。他の芝居と何も変わりませんよ」

 ナースや若妻、女子大生などを演じると、その魅力的な演技が口コミで広がって出演本数を重ね、メイトガールとしての人気も絶頂を極めた。

「何も考えられないくらい忙しかったです。映画撮影に新聞や雑誌の取材、『平凡パンチ』の全国イベント─。スケジュール表を見ると食事やトイレの時間もないほど分刻み。どこに行くのか聞く間もなく、車で全国に連れていかれました(笑)」

 原の人気ぶりを象徴する、こんなエピソードがある。

「78年、日劇ミュージックホールで主演舞台を踏みましたが、日劇の周りをお客さんが3周半も取り巻いていたんです。あの光景、写真に撮ればよかった! 興行成績は、人気コメディアンだったトニー谷さんに次ぐ2位だったそうです」

 80年にデビューした松田聖子が「ファンの数が1万人になった」と喜んでいた頃、原のファンクラブ会員はすでに70万人を超えていたという。

「大学の学園祭出演のオファーも多数ありました。スケジュールを理由にお断りしたくなかったので、なるべく多くの大学に顔を出したいと思い、5分だけ出演して次の大学へ、を繰り返し、1日6校回った日も。そうしたら『学園祭クイーン』に選ばれ、NHKのニュース番組で報じられました」

 大忙しの一方で、プライベートはシンプルだった。

「いい事務所で、映画のギャラは100%いただいたし、固定給ももらっていました。でも、普通の生活を変えたくなかったので、母に任せほぼすべて貯金。唯一のぜいたく品は、母の判断で購入した総絞りの本振袖です。でも結局、着る機会がなく、桐タンスにしまわれたまま(笑)」

 また、事務所から課せられた「恋愛禁止」を忠実に守り、スキャンダルも一切なかった。

「『人の車に乗ってはいけない』なんて決まりを守っていました(笑)。私自身、恋愛よりも一生懸命に仕事をすることが楽しかったですしね」

 80年には一般映画「おさな妻」(日活)に出演、女性人気も獲得。試写会に来た半数は女性で占められていたという。そんな中、日活からよりハードな路線を求められる。

「私にはできないからと、しばらく日活の作品は出ないことに決め、単発でテレビドラマなどに出演していました」

 その後、ほどなく女優を休業したのは、大学生向けのミニコミ情報誌「カレッジ・コミュニティ」を立ち上げ、制作に専念したかったからだという。

 現在は、学童指導員の資格を取得し、週4、5日、小学生を相手に奮闘中だ。

「数年前、『自分がやりたいことって何だろう?』と、あらためて振り返り、『子供と接する仕事だ』と思い立ち、資格を取るため初めて履歴書を書いたんです。私が『38歳よ』と言うと、『そうなんだー!』って(笑)。子供って素直でおもしろいですね」

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
2
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
3
「コーチに無断でフォーム改造⇒大失敗」2軍のドン底に沈んだ阪神・湯浅京己のボコボコ地獄
4
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係
5
【大騒動】楽天・田中将大が投げられない!術後「容体不良説」も出た「斎藤佑樹との立場逆転」