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サンスポ水戸正晴の「絶対万券」論「ダノンキングリーの前残りある」

 怒濤のごとく続いたGI戦も今週が最後。そのメインは安田記念だ。春のマイル王者を決める一戦だが、登録17頭中11頭がGI勝ち馬で、それに準ずる馬(GIで2、3着あり)が2頭。このコロナ禍の中、よくぞ盛り上げてくれるものだと、競馬ファンとしてはうれしいかぎりだ。

 しかし主役は1頭。言わずもがなアーモンドアイである。これだけ大物がそろえば異論を挟む関係者もいると思う(だからこそおもしろい)が、ここで勝てば史上初のGI8勝の栄光を手中にするのだから、最も注目すべき馬であることは間違いない。

 海外遠征(レースは中止)からの帰国明けなど、不安視されることが多々ありながら、前走のヴィクトリアマイルの圧勝劇は感動ものだった。ほとんど追わずにレコードにコンマ1秒差。簡単にできる芸当ではない。

 しかし今回は牡馬の一線級がそろい、前走より相手は一枚も二枚も強くなる。しかも前走より1キロ増の56キロでの競馬。楽なレースは望みようもないが、それでも実績が示すとおり、この女傑の強さは信じるに十分足るものがある。

 前走の際、当欄で指摘したが、有馬記念のよもやの9着敗北は、やはり仕上がり状態に問題があったとみるべきだ。ならば実績のあるマイル戦。期待しないわけにはいかないだろう。

 競馬記者になって半世紀近くになるが、これだけ強い牝馬に巡り合えたことはなく、私が知るかぎり、牡馬を含めても五指に入ると評価している馬。いくら穴党といえども、中心視しなければと思っている。

 前走と違って今回は接戦になるとみているが、それでも力で勝利をモノにすることだろう。問題があるとすれば調子、状態だ。

 前走は年齢のせいか、久々のレースだったからか、パドックではやけに落ち着いていた。見方を変えれば、これまでの覇気が感じられなかった。それでも圧勝したわけだが、今回は中2週での強行軍。俗に言う「2走ボケ」(反動)を不安視する向きもある。

 そのあたりが気にならないわけではないが、厩舎関係者によると疲れは微塵もなく、いたって順調とのこと。1週前の追い切りは週末にズラしたものの、不安らしきものはない。

 国枝調教師も「馬体に張りが出て、むしろ覇気が感じられる。使ってさらによくなっていることは間違いない」と言っていた。となれば、やはり、この女傑からの「2着探し」が今回の馬券戦術と言えるだろう。

 相手として注目したいのは、ダノンキングリーである。前走の大阪杯は、逃げまくって惜しい3着。他のGIなら当然人気だろうが、これまでGI勝ちはなく、このメンバーに入るとやや評価は低い。が、この中間は順調そのもので、1週前の追い切りも文句なしだった。

 昨年のダービーでクビ差2着の実績があり、秋のマイルCSでは5着に敗れているが、母系を思うと、新馬─500下を連勝したようにマイル適性のほうがあると思える。祖母はBCジュヴェナイルFの覇者。血統的背景からも、また、アーモンドアイより前々でレースを運べる展開的な意味合いもあり、あわよくば、の期待を持てる一頭だ。

 穴中の穴は、ヴァンドギャルドである。

 実績は劣るし、前走から斤量が2キロ増えての競馬。重賞勝ちもなく、人気はまったくないだろうが、今期3戦目で状態は大幅に良化している。強烈な末脚が身上でもあり、直線の長い東京〈1 0 1 1〉は実績が示すとおり、もってこいだ。

 馬単導入後の過去17年で馬単万馬券が11回(馬連7回)も出ている荒れるGIだけに、人気薄の大駆けを期待したい。

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