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他チームの挑戦を受けて立つ立場の楽天だが、チームの大黒柱の田中将大を欠き、その実力は未知数だ。日本一奪取で一気に権力を掌握したのは、星野仙一監督ではなく、立花陽三球団社長だった。フロントの一部はこの状況に大反発したものの米田純連盟担当が今月末、オリックスに“移籍”。それに追随して、加藤康幸チーム統括本部長も退団し、球団人事が大揺れに揺れている。
不安な面は他にもある。星野監督は日本一になったコーチ陣には、一切、手を加えなかった。これまで毎シーズン、コーチ人事に着手することでチームを活性化させてきた実績があるだけに、いささか疑問が残る。これまで、一昨年の田淵幸一ヘッドコーチのような交代劇や、昨シーズンのように大久保博元を一軍打撃コーチから二軍監督に配置転換し、二軍打撃コーチだった田代富雄を一軍に昇格させたことが、昨年の日本一につながったのだった。星野監督にしてみれば、問題の多い大久保を解任してもおかしくなかったが、今シーズンも留任。その裏には、オーナーとの関係が良好な大久保を外すことで、秋季キャンプとオープン戦を故郷の岡山・倉敷でできなくなることを避けるという“大人の事情”があるのだった。
その一方、黄金ルーキーの松井裕樹を一軍に固定。自分の目の届くところに置いていたのも今後の楽天への影響力を温存させるための布石だろう。
星野との信頼関係が厚い佐藤義則投手コーチの出身であるオリックスから来た三輪隆一軍バッテリーコーチと米村理一軍外野守備走塁コーチの一派に加え、虎視眈々と次期監督を狙う大久保二軍監督──大石友宜二軍バッテリーコーチの旧西武派が、星野監督の預り知らぬところで微妙な関係にあるのだ。
選手に目を向ければ、マギーに代わって今季獲得したユーキリスも、今のところ快音は聞かれないが、これまでの実績的にはそれなりの打者。田中将大獲得に動いていたヤンキースサイドが推薦した一人と言われているが、チームの成績も結局は外国人選手しだいといったところだろう。
選手たちも翻弄されている。チームは捕手の嶋基宏を中心に結束が高まっているが、首脳陣の間では、岡嶋豪郎や伊志嶺忠らのいわゆる“星野チルドレン”を起用したがる傾向もあり、ベテランと若手の競争が水面下で繰り広げられているのだ。(一部敬称略)
◆スポーツライター・永谷脩
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