政治
Posted on 2023年02月16日 17:58

中国「スパイ気球」全真相(1)アメリカは海南島での打ち上げから秘かに追跡を続けていた

2023年02月16日 17:58

 今月に入り、中国から飛来したとされる「スパイ気球」が、アメリカやカナダなどの北米地域の上空で、少なくとも4度にわたる「領空侵犯」を繰り返した。

 当初、ホワイトハウスは静観の構えを見せていたが、米国内における対中強硬論の高まりを受け、2月4日に米サウスカロライナ州沖上空で、最初の飛行物体を撃墜。その後、10日には米アラスカ州沖上空で、11日にはカナダのユーコン準州上空で、12日には米ミシガン州ヒューロン湖上空で、それぞれ米軍機による撃墜が敢行された。

 そして、撃墜後に米軍が行った回収作業の結果、少なくとも4日に撃墜した飛行物体に、情報収集を目的とするセンサーなどの電子機器が搭載されていたことが判明。目下、FBI(連邦捜査局)が詳しい分析作業を進めているが、米国務省は「飛行物体が中国のスパイ(偵察)気球だったことは明らかだ」として、中国政府を強く非難している。

 アメリカの情報当局に太いパイプを持つ国際軍事アナリストが明かす。

「実は4日に撃墜されたスパイ気球は、南シナ海の北部に浮かぶ海南島(中国海南省)から打ち上げられたもので、アメリカの情報当局は当初から、中国空軍が米国内の軍事施設を監視するために打ち上げたスパイ気球として、追跡を続けていました。その後、スパイ気球は1月28日に米アラスカ州アリューシャン列島北方の防空識別圏に入り、カナダやアメリカ本土の上空を飛行した後、米軍機によって撃墜されたのです」

 しかも米情報当局は、中国がアメリカをはじめ、世界40カ国以上の領空にスパイ気球を飛来させていた事実も把握していたというのだ。国際軍事アナリストが続ける。

「スパイ気球によるこのような偵察行為が、領空侵犯と主権侵害に該当することは明らか。加えて、4日に撃墜されたスパイ気球の飛行ルートには、核ミサイル、ICBM(大陸間弾道ミサイル)、ステルス爆撃機などが配備されている重要な軍事施設が点在していた。そのため、表向きは冷静さを装っているバイデン大統領も、ホワイトハウス内では『中国による今回のあからさまな挑発は、事実上の宣戦布告だ』と激怒していると聞いています」

 そして国際ジャーナリストは、次のように警鐘を鳴らすのだ。

「アメリカの諜報当局者も指摘していることですが、もし冷戦時代にこのような挑発が行われたとすれば、間違いなく米中の全面戦争に発展していたはずです」

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