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ボクシングデビューでKO勝ちに固執しなかった那須川天心の「客観的クレバー」

 キックボクシングで42戦無敗の男、那須川天心がボクシングデビューを飾った。4月8日に東京・有明アリーナで行われたスーパーバンタム級6回戦で、日本バンタム級2位の与那覇勇気と対戦し、3-0の大差判定勝ちを収めた(59-55、60-53、60-53)。

 2回に与那覇からダウンを奪い、手数も圧倒していたが、ファンが期待をしていたKO勝ちとはならず。試合を観戦したボクシング関係者が言う。

「大観客が入ったデビュー戦ですから、相当緊張しているはずなのに、キックボクシングでの経験があるからなのか、落ち着いていましたね。相手は日本2位の経験豊富な選手ですが、那須川はパンチ数でも圧倒しました。2回にダウンを奪ったのでラッシュしていくのかと思いましたが、冷静で無理はしなかった。那須川はクレバーだと感じました。初戦としては十分な結果じゃないですか」

 運営に携わっていた関係者も次のように語る。

「試合前に那須川が『勝っても負けても、自分のボクシングの経験になる』と言っていたので、こいつは自分を客観的に見られるヤツだと思っていました。今回はKO勝ちとはなりませんでしたが、2戦、3戦と進んでいけばKO勝ちもついてくるでしょう」

 試合後に那須川は、

「倒したかったけれど、(ボクシングを)経験できたのは大きい。ボクシングだけをやって半年ちょいなんで、まだまだ伸びると思う」

 一方の敗れた与那覇は、試合後の記者会見にサングラス姿で登場した。

「無様に負けたという感じです。(那須川は)スピードはもちろんあるし、打ち分けとかボクシングの技術もあるなと感じた。勝ちたかったが、スピードがあって捕らえきれなかった。キレで倒す感じのパンチで、パンチを貰ったら危ないと思った。打ち合おうと思ったが、危ないという意識があって、あんな試合になってしまった。これから(那須川は)どんどん上にいくと思います」

 普段は中高年男性が多い試合会場には、珍しく若い歓声もこだましていた。那須川の登場でボクシングファン層を拡大できれば大成功だろう。半世紀前にはテレビで毎週、ボクシング中継が流されていたこともあった。「栄光をもう一度」の時代が来るかもしれない。

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