社会

みのもんた「潤っているのは一部の大企業だけ」

 今年も無事に誕生日を迎えさせてもらいました。もう古希か、いやいやまだ古希だ。70歳まで生きてきたけど、まだまだバリバリ働ける! えっ? その割りにはテレビに出てないじゃないかって? この際、文筆業1本にしぼるのもいいかな‥‥フフフ。やはり無理だね。話すほうが早いから、書くほうの手がお留守になっちゃう。こんな発表を見ると、手より口のほうが先に出ちゃうんだよ!

【GDP激減~個人消費下落、震災時以来の低迷】

内閣府が4~6月期のGDP速報値を発表。1~3月期に比べて1.7%減となり、このペースが続けば年率6.8%減となり震災時以来の落ち込みとなる。政府や財界は消費増税による駆け込み需要の反動と見ており、7~9月期で挽回すると見ている。

 時期を見れば、消費増税の影響なんていうのはバカでもわかるよ。ただ、14年は株価も上がって、景気も上がったっていうけど、本当に潤っているのは、大企業だけ。その大企業の社員だって、給与が10%も増えたとこなんて、まずないでしょう。GDPというのは、企業がモノを作る・売るだけで成り立つんじゃない。鍵を握るのは個人消費。これが伴わないと、数値は上がらないんですよ。なのに個人消費は著しく落ちてます。何で、そう思うのかって? 私は水道メーター屋の社長でもあるわけだけど、新築着工件数が上がっていない。これが大打撃でもあるわけだけど、誰も家を建てようと思っていないんですよ。

 何も家を建てるという大金を遣うだけでなく、日々の消費だって先細りですよ。私の一番の“経済活動”である飲み屋巡りで、それがわかる(笑)。新しい居酒屋をのぞくと、一品300円均一とか、低価格を売りにした店ばかり。学生向けの店かと思えば、店内にはサラリーマンが多い。皆、そういう店で我慢しているわけだよ。会社員は「入ってくる金が増えないのに、どうやって金遣えって言うんだよ!」という気分なんじゃないかな。

 なのに、安倍さんが推し進めたがっているのが「ホワイトカラー・エグゼンプション」。ホワイトカラーなんて言葉にダマされちゃいけないよ。これは、「残業代は出さないけど、お前らいい仕事したら評価上げてやるから」という話だ。経営者なら飛びつきたい制度だよ。体のいい賃金カットだからね。

 駅前で街頭販売して売り上げ個数で勝負する商売ならわかりやすいけど、わかりやすい数字が出ない商売もある。会社員が残業なしで5時までに帰れるならいいけど、残った仕事はどうするの? 翌日に仕事をしていたら、能力がない人って判断されて給料下がっちゃいますよ。結局、サービス残業が増えて給料が増えない。どんどんブラック企業化していくしかない。過労死一直線だ。経営者は「国がそう言うんだからしかたない」で済ませちゃうよ。

 そのうえ、来秋消費税が10%に上がる。そうでなくとも国の借金は1000兆円を超えているわけだからね。「税金を上げる」以外に「年寄りがためている金を吐き出させる」しか返済の手だてがない。多少の景気上昇とは関係なく、我々の生活はますます厳しくなりますよ。それでも安倍さんの支持率は50%を切ってないし、内閣改造でまた少し上昇するでしょ。いったい国民はどこを見てるのか。心配でしょうがないよ!

◆プロフィール みのもんた 1979年に文化放送を退社後、フリーアナとなる。以後、数々の番組で司会、キャスターを務める。1週間で最も生番組に出演する司会者のギネス記録保持者でもある。

カテゴリー: 社会   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身