スポーツ
Posted on 2015年09月13日 09:56

ソフトバンク・工藤公康 V当確の裏にあった“広岡式管理野球”!「ヘッドコーチを置かなかった理由」

2015年09月13日 09:56

20150910q

 打線についても独自の感性がある。投手目線で、「内川の4番がいちばん嫌だ」と、本来はつなぎ役の内川を据え、抜擢した脇役の選手が次々とヒーローになるなど、ドラマ作りがうまい。

「二軍から昇格させた選手は即起用する」との方針で、時間があれば積極的に(二軍の)雁の巣球場へ足を運び、試合観戦もしている。

「開幕以来、無休です。試合のない移動日に、練習参加が投手数人という時も顔を出す」(スポーツ紙デスク)

 その工藤イズムの裏にあるのが、西武入団時の監督で、82年から4年間でリーグ優勝3回、日本一2回という西武の黄金期をスタートさせた広岡達朗氏(83)の「管理野球」だ。

 茶髪、ガムかみ、ツバ吐きなどを禁止したのは、「広岡式管理野球」の継承。広岡氏は菜食主義を打ち出すなど食事も厳しく管理したが、実は工藤監督も、チームの食に関する改革、改善を断行している。

「工藤監督は、みずからが現役を(29年も)長くやれたのは食事を含めた体調管理にあった、という考え。食生活を直接変えたのは夫人でしたが、広岡氏の影響も強く受けています。栄養士と相談しながら遠征先のホテルの食事メニュー、二軍の寮の食事などを指定し、変えました。少しずつ多くのおかずを用意して、あらゆる栄養素を摂取できるようにしたんです」(スポーツライター)

 工藤監督が今でも真夏に半袖のアンダーシャツを着ないのは、広岡氏の「投手は肩を冷やさないために、絶対に長袖を着ろ!」という教えを守っているから。また、優勝請負人として西武、ダイエー、巨人、横浜と多くの監督の下でプレーしてきたが、「勝つ野球の根本は広岡さんの野球だと思う」とも断言しているのだ。

 コーチ経験がないまま監督になったせいか、審判に当たったボールの扱いに関するルールを知らなかったり、継投の際、マウンドに行った佐藤義則投手コーチ(60)が戻ってきてしまい、交代ができなくなって打たれるなどの凡ミスもあって、「無色野球」「素人監督」などと批判も受けている。

「作戦面の失敗も目立ちますが、本人も素直に『俺のミス』と認めるので、大きな問題にならない」(福岡のメディア関係者)

 前出・スポーツライターも、

「西武の黄金期には監督采配ではなく、石毛、辻、秋山、伊東ら野球を知っている選手が自分たちで考えて勝ってきた。そんな野球を見てきた工藤監督は、戦力の整っているソフトバンクでは内川聖一(33)、松田宣浩(32)らのベテランに任せておけばいいと考えているんですよ。だからヘッドコーチを置かなかった。就任1年目の指導者はいいところを見せたいと張り切りすぎて“自爆”する人が多いですが、力みがない。ベンチで無邪気に一喜一憂してはしゃいでいますから」

 広岡式工藤野球の勢いは、クライマックスシリーズから日本シリーズへと続きそうな気配である。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク