スポーツ

ソフトバンク・工藤公康 V当確の裏にあった“広岡式管理野球”!「ヘッドコーチを置かなかった理由」

20150910q

 打線についても独自の感性がある。投手目線で、「内川の4番がいちばん嫌だ」と、本来はつなぎ役の内川を据え、抜擢した脇役の選手が次々とヒーローになるなど、ドラマ作りがうまい。

「二軍から昇格させた選手は即起用する」との方針で、時間があれば積極的に(二軍の)雁の巣球場へ足を運び、試合観戦もしている。

「開幕以来、無休です。試合のない移動日に、練習参加が投手数人という時も顔を出す」(スポーツ紙デスク)

 その工藤イズムの裏にあるのが、西武入団時の監督で、82年から4年間でリーグ優勝3回、日本一2回という西武の黄金期をスタートさせた広岡達朗氏(83)の「管理野球」だ。

 茶髪、ガムかみ、ツバ吐きなどを禁止したのは、「広岡式管理野球」の継承。広岡氏は菜食主義を打ち出すなど食事も厳しく管理したが、実は工藤監督も、チームの食に関する改革、改善を断行している。

「工藤監督は、みずからが現役を(29年も)長くやれたのは食事を含めた体調管理にあった、という考え。食生活を直接変えたのは夫人でしたが、広岡氏の影響も強く受けています。栄養士と相談しながら遠征先のホテルの食事メニュー、二軍の寮の食事などを指定し、変えました。少しずつ多くのおかずを用意して、あらゆる栄養素を摂取できるようにしたんです」(スポーツライター)

 工藤監督が今でも真夏に半袖のアンダーシャツを着ないのは、広岡氏の「投手は肩を冷やさないために、絶対に長袖を着ろ!」という教えを守っているから。また、優勝請負人として西武、ダイエー、巨人、横浜と多くの監督の下でプレーしてきたが、「勝つ野球の根本は広岡さんの野球だと思う」とも断言しているのだ。

 コーチ経験がないまま監督になったせいか、審判に当たったボールの扱いに関するルールを知らなかったり、継投の際、マウンドに行った佐藤義則投手コーチ(60)が戻ってきてしまい、交代ができなくなって打たれるなどの凡ミスもあって、「無色野球」「素人監督」などと批判も受けている。

「作戦面の失敗も目立ちますが、本人も素直に『俺のミス』と認めるので、大きな問題にならない」(福岡のメディア関係者)

 前出・スポーツライターも、

「西武の黄金期には監督采配ではなく、石毛、辻、秋山、伊東ら野球を知っている選手が自分たちで考えて勝ってきた。そんな野球を見てきた工藤監督は、戦力の整っているソフトバンクでは内川聖一(33)、松田宣浩(32)らのベテランに任せておけばいいと考えているんですよ。だからヘッドコーチを置かなかった。就任1年目の指導者はいいところを見せたいと張り切りすぎて“自爆”する人が多いですが、力みがない。ベンチで無邪気に一喜一憂してはしゃいでいますから」

 広岡式工藤野球の勢いは、クライマックスシリーズから日本シリーズへと続きそうな気配である。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
2
高島礼子の声が…旅番組「列車内撮影NG問題」を解決するテレビ東京の「グレーゾーンな新手法」
3
「致死量」井上清華アナの猛烈労働を止めない「局次長」西山喜久恵に怒りの声
4
皐月賞で最も強い競馬をした3着馬が「ダービー回避」!NHKマイルでは迷わずアタマから狙え
5
完熟フレッシュ・池田レイラが日大芸術学部を1年で退学したのは…