スポーツ
Posted on 2013年10月01日 09:58

広島カープ「倍返し下剋上」なら絶対モメるCS問題(2)NPBは是正どころか拡大の意向を

2013年10月01日 09:58

20131003q

 落合氏の「応援」を受けた当該球団の選手たちの心境はというと、

「広島、中日ともに『みっともない。こんなに借金を抱えて、この成績でCSと言われたってねぇ』という現場の声がありました。ただ、『ルールだから出られるんだろうけど』とも」(スポーツ紙デスク)

 では、このシステムを作った日本プロ野球組織(NPB)は、今回の事態をどう考えているのか。遊軍記者が代弁する。

「NPBのスタッフは『ゲーム差なんてどうってことはない』『そういうシステムなんだから』などと、意に介していません。ただ、その本音は『借金チームがCSに滑り込むのはしかたないが、さっさと負けてほしい。何とかならないものか』です。ちなみに、07年のロッテ日本一の際には『リーグ3位の球団が日本一になっていいのか』との苦情がNPBに殺到。ただ、その一方で、『ロッテはよくやった』『CSはおもしろい』との意見もありました」

 そもそもプレーオフ、CSと続くシステムはいったい何の目的でスタートしたのか。その舞台裏を、スポーツライターの飯山満氏が解説する。

「04年にパ・リーグでプレーオフ制が導入された時、パの関係者は『サンプルにしたのはアイスホッケーの日本シリーズと韓国野球の国内シリーズだ』と言っていました。目的は消化試合をなくすこと。その意味では、いちおう成功していることになります。そしてもう一つが収益アップ、つまり金儲けのためです」

 先のデスクは、具体的な「数字」に言及した。

「下位チームによる3位争いが熾烈化することで、終盤まで消化試合が減ったのは事実です。しかも盛り上がるうえに、全国放送されるので高い放映権がつく。主催球団にもよりますが、4000万円から5000万円。それに入場料をプラスすれば、経費を差し引いても1試合1億円前後は儲かる。言ってみれば、昔の巨人戦中継が復活した感じで、視聴率も取れますからね」

 3位×2位では2位球団本拠地での主催試合、その勝者と優勝球団との対戦は優勝球団の主催試合となる。元来、CSはシーズンの延長であるとの位置づけから、儲かるのは主催球団のみ。3位球団は日本シリーズに出場しないかぎり潤うことはないわけだが、

「3位でも借金があるからダメだ、となれば、金儲けの場が奪われることになる。みんな儲けたいんです」(前出・デスク)

 CSはあくまで各リーグの興行であり、リーグとして勝率5割以下の球団の出場を認めている以上、NPBとしては「いいじゃないか、それで」ということなのである。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク