政治

ホントーク〈ティムラズ・レジャバ×名越健郎〉(3)精神統一ができる茶道にハマッた

名越 茶道も嗜まれていますが、その魅力について教えてください。

大使 お茶を飲むだけでなく、茶室や庭の美しさ、掛け軸などで季節の魅力を感じたり、出された器でも、必ず亭主が器について話してくれます。茶室でご一緒した方々との出会いも大切に感じます。茶道は日本のサービス精神や日本のおもてなしの根底にあるものだと思います。実はジョージアにも茶道のような「ワイン道」があります。「スプラ」と呼ばれているのですが、茶室に亭主がいるように、スプラには「タマダ」という司会役がいます。ワインを飲みながら、合唱や詩の朗読や食事も出されます。

名越 まさにおもてなしですね。ジョージアは観光にも力を入れています。お客さんをとても大事にしていて、知らない人でも丁寧に歓待してくれます。

大使 日本と同じで「おもてなし」の気持ちが強い国なんです。

名越 ロシアのモスクワに住んでいた頃、ジョージアに行くとホッとしました。

大使 ありがとうございます。お客さんがリラックスしてもらえるようにおもてなしをする国ですから、それを感じてもらえたのはうれしいです。

名越 本でも触れていますが、昨年、長らく日本でタブー視されてきた「ジャニーズ」「宝塚」「吉本興業」などの問題が露呈しました。この動きはどう感じますか。

大使 それまで日が当たらなかった場所に目が向けられて、よかったと思います。

名越 今の日本は転換期にきているのでしょうか。

大使 日本のみならず、世界的に価値観が変わろうとしているタイミングではないでしょうか。戦争やコロナ禍が重なった中、日本もそれらに順応して新しい時代を乗り切るためには、どう舵を取ればいいのか、を考える時だと思いますね。

名越 今、日本人は元気がありません。ぜひ、エールをお願いします。

大使 日本にはすごく立派な独自の文化や思想があります。その芯の部分を一層、強くしながら、変えられる部分は変えていく。そのバランスを取るために「日本再発見」ではないですけど、自分自身をよく知ることが今後の社会のあり方につながっていくのだと思います。

名越 ありがとうございます。20年ぶりにジョージアを訪れてみたくなりました。

大使 ぜひ、お越しください。

ゲスト:ティムラズ・レジャバ 駐日ジョージア大使。ジョージア出身。92年に来日し、その後ジョージア、日本、アメリカ、カナダで教育を受ける。11年9月に早稲田大学国際教養学部を卒業。12年4月キッコーマン(株)に入社。18年、ジョージア外務省に入省。19年に在日ジョージア大使館臨時代理大使に就任し、21年より特命全権大使としてジョージアの魅力を日本で発信している。

聞き手:名越健郎(なごし・けんろう)拓殖大学特任教授。1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社。モスクワ支局長、ワシントン支局長、外信部長などを経て退職。拓殖大学海外事情研究所教授を経て現職。ロシアに精通し、ロシア政治ウオッチャーとして活躍する。著書に「秘密資金の戦後政党史」(新潮選書)、「独裁者プーチン」(文春新書)など。

カテゴリー: 政治   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    「王座戦」初防衛に王手をかけた「鬼神・藤井聡太」の勝利の方程式は「パイナップル・キノコ抜き・室温20度」

    いくら漫画でも、こんな展開は描けない。将棋の第72期王座戦5番勝負第2局が9月18日、名古屋市の名古屋マリオットアソシアホテルで行われ、午前9時の対局開始からわずか30分で76手まで進む「AI超速将棋」を藤井聡太七冠が制して2連勝。王座戦初…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
巨人・菅野智之「ポスティングでメジャー移籍」で上原浩治がまた「恨み節」の噴飯
2
実は「打撃の師匠は広島・新井貴浩監督」阪神・大山悠輔がFA権行使で「赤ヘル軍団入り」の現実味
3
中日退団ビシエド「実は年俸5億円もらっていた」立浪和義監督を泣かせた「円相場」の大誤算
4
ミニスカ&ヒールで西武のグラウンドに!ガツンと怒られた女性キャスターに清原和博が放ったひと言
5
ダルビッシュ有のTシャツに義兄・山本KID…「手を出すのやめてくれないか」実は聖子との交際に猛反対していた