スポーツ

凱旋門賞“必中大作戦”・武豊の「クリンチャー」が世界を驚かせる(1)馬場の状態が勝負を左右

 世界最高峰のレース「凱旋門賞」が10月7日、新装されたパリ・ロンシャン競馬場で開催される。日本からは武豊騎手(49)とのコンビでクリンチャーが挑むが、断然の人気は女傑エネイブル。しかし、伏兵陣が多彩なだけに、馬券的にも魅力たっぷりのレースになりそうだ。

 昨年の覇者で、欧州年度代表馬に輝いたエネイブルが中心視されているが、はたして連覇となるのか。「東京スポーツ」でコラム「海外競馬解析」を執筆する競馬ライターの秋山響氏が解説する。

「エネイブルは5月に膝を痛め、復帰がかなったのは9月8日のGIIIセプテンバーSでした。J・ゴスデン調教師が『80%から85%のデキ』と語る中、楽に逃げ切りました」

 このセプテンバーSはオールウェザーのレース。凱旋門賞のステップとしては異例だが‥‥。

「本番まで中2週のローテーションとなるGIヴェルメイユ賞よりも間隔が取れますし、地元イギリスでの走りっぷりもよかった。復帰戦としては、まずまずだったように映ります」(秋山氏)

 逃げてよし、控えてもよしと、自在性があり、馬場も不問のエネイブルに死角は見つかりそうにない。英国ブックメーカー各社の単勝オッズも、2~2.5倍と、断然の1番人気だ。

 2番人気は昨年のエネイブルと同じくGI愛オークス、GIヨークシャーオークスを制して臨むシーオブクラスだ。

「決め手は非凡です。凱旋門賞は、ここ10年で3歳牝馬が4勝しています。まとめて負かすならこの馬、という感じもしますが、良馬場向きなので、重馬場になれば回避する意向です」(秋山氏)

 逆に3番人気が予想されるクラックスマンは、良馬場で回避する可能性が高い。

「昨年10月に重馬場で争われたGI英チャンピオンSは7馬身差をつける圧巻の勝利でしたし、今季初戦となった4月のGIガネー賞も強かったですね。ただ、続く6月のGIコロネーションCは大苦戦の末の辛勝、GIプリンスオブウェールズSは2着でした。凱旋門賞は7月、8月と2度出走予定だったレースを回避し、間隔が空いての戦いになりますが、6月からの休み明けで優勝した例は、半世紀以上もありません」(秋山氏)

 エネイブルを追う有力馬2頭は馬場状態しだいとなりそうだが、フランスの馬場について、海外競馬に詳しい「スポーツ報知」レース部・牧野博光デスクが話す。

「『女心と秋の空』なんて言いますが、この時期のパリも一緒で、現地取材に行くたびに悩まされたものです(苦笑)。そのうえ日本は『良』『稍重』『重』『不良』の4段階ですが、フランスはさらに細かく10段階に分かれている。当日の馬場情報は要注目ですね」

 ちなみに、クリンチャーが出走した前哨戦、GIIフォワ賞の当日は「良」の中でも「稍重」に近い「BON」だった。

「本命はエネイブルですが、対抗には、そのフォワ賞を制したヴァルトガイストを推します。最後は抑えるほどの完勝。この馬は現在、5月GIIIエドゥヴィル賞、6月GIIシャンティイ大賞、7月GIサンクルー大賞、そして今回のフォワ賞と、芝2400メートルの重賞を4連勝中なんです。4歳になって軌道に乗ったように見えます」(牧野氏)

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<老人性乾皮症>高齢者の9割が該当 カサカサの皮膚は注意

    330777

    皮膚のかさつきを感じたり、かゆみや粉をふいた状態になったりすることはないだろうか。何かと乾燥しがちな冬ではあるが、これは気候のせいばかりではなく、加齢による皮膚の老化、「老人性乾皮症」である可能性を疑った方がいいかもしれない。加齢に伴い皮膚…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<中年太り>神経細胞のアンテナが縮むことが原因!?

    327330

    加齢に伴い気になるのが「中年太り(加齢性肥満)」。基礎代謝の低下で、体脂肪が蓄積されやすくなるのだ。高血圧や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病に結びつく可能性も高くなるため注意が必要だ。最近、この中年太りのメカニズムを名古屋大学などの研究グル…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<巻き爪>乾燥による爪の変形で歩行困難になる恐れも

    326759

    爪は健康状態を示すバロメーターでもある。爪に横線が入っている、爪の表面の凹凸が目立つようになった─。特に乾燥した冬の時期は爪のトラブルに注意が必要だ。爪の約90%の成分はケラチン。これは細胞骨格を作るタンパク質だ。他には、10%の水分と脂質…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

注目キーワード

人気記事

1
角盈男がズバリ!菅野智之はメジャーリーグで「本塁打をかなり打たれる」
2
株の大量買いで…かつての「救世主」が敵に回りそうなフジテレビ
3
「ちびまる子ちゃん」にとんでもない場面が登場「中居問題」を想起させる「意味深な部屋」
4
「ジャングリア沖縄」大型テーマパーク開業前に持ち上がった「3つの大問題」
5
「いい人」返上のやす子が「死ねばいいのに!」罵倒…それってフワちゃんと変わらない大問題