今村聖奈が先週の京都10R・橘Sで7番人気のムイに騎乗して勝利。これで地方を合わせて通算101勝となり、見習い騎手を卒業した。今週から平場戦での負担重量は▲3キロ減から、女性騎手のみの◇2キロ減となる。
今村はデビュー1年目に51勝を挙げて天才女性騎手と騒がれたが、2年目25勝⇒3年目6勝と成績が急降下。競馬関係者だけでなく、ファンからも見離されていたが、今年はすでに6勝している。どうやらスランプから抜け出しつつあるようだ。
そのきっかけとなったのが、春の福島(4月12日~27日)、新潟(5月3日~25日)開催への本格参戦のため、5月下旬まで美浦へ拠点を移したこと。美浦滞在初週の4月13日・中山12Rでソーニャシュニクに騎乗し、楽勝してみせた。これにより、競馬関係者の彼女に対する見方が変わっていったようだ。「ウチの馬も乗せてみようか。減量も利くし」と。
事実、福島では4月19日から27日の2週4日間で20鞍に騎乗。結果は1勝、2着2回、3着1回、着外16回だったが、数多く乗れたことは自信に繋がった。その後の新潟でも5月3日、4日、10日の3日間で7鞍に騎乗、1勝している。
ちなみに、栗東にいた今年1月から3月までの13週間に、JRAで騎乗したのは56鞍。つまり、1週間平均で4.3鞍だった。これではその間に2勝しかできなかったのは致し方ない。
「救いの手を差し伸べたのは、ニシノやセイウンで知られる馬主の西山茂行氏。彼女を可愛がっていて、積極的に乗せています。5月3日の新潟12R・千直、ニシノトキメキで鮮やかに逃げ切ってみせましたが、その前週にも3頭乗せています。この4頭はいずれも美浦の所属馬で、西山オーナーがチャンスをあげるからこっちで乗ってみないか、と言われたようです」(トラックマン)
女性騎手は現在、小林美駒が10勝でトップを走っているが、今後は今村がその地位を脅かしていくかもしれない。
最後にヴィクトリアマイル(GⅠ、東京・芝1600メートル)の注目馬に触れておきたい。
人気になってもルメール騎乗のアスコリピチェーノを狙いたい。サウジでの1351ターフスプリント(2月22日、1着)以来となるが、休み明けは海外遠征も含めて4戦3勝、1着1回とパーフェクト連対。そして芝のマイルは3勝、2着1回と、こちらもパーフェクト連対である。ルメールは今年、GⅠ勝利がないが、今度こそ決めるのではないか。
それではグッドラック!
(兜志郎/競馬ライター)