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記事全文を読む→長嶋と松井“4番の遺伝子”継承までの21年間「ナベツネが持ちかけたW受賞」
異例の国民栄誉賞W受賞となった長嶋茂雄と松井秀喜。松井がルーキーの時に巨人の監督を務めていた長嶋は「未来の4番」に徹底的な帝王教育を授けた。あれから21年──。2人の師弟愛は今もなお、誰もがうらやむほどの輝きを放っているのである。
4月1日、長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督(77)とともに、国民栄誉賞を受賞した松井秀喜(38)について、インターネット上を中心ににわかに疑問が噴出した、
「なぜ、このタイミングで松井が国民栄誉賞なのか」
そもそも松井の受賞については、昨年12月29日に福島第一原発を視察した安倍晋三総理(57)が、福島に向かう東北新幹線の中で発案したものだった。車内で松井の引退の報に接して、年明けの渡米を控えていた安倍総理は「(松井が)日米の絆になれば」と提案した結果の受賞と言われている。
だが当初、安倍総理の周辺では「(松井の受賞は)まだ早いのでは」という声もある一方、「師匠に当たる長嶋と一緒ならばいいのではないか」という意見も、官邸内に上がり始めていた。
だが、最終的に「松井と長嶋のW受賞」を後押ししたのは、ある理由があったからだった。それは今年1月19日に死去した大横綱・大鵬幸喜氏が国民栄誉賞を受賞した際、大鵬夫人の芳子さんから出た言葉にあった、
「生前に(国民栄誉賞を)授けてほしかった」
遺族のひと言に、安倍総理も深く後悔したと言われる。そこであらためて、国民的スターである長嶋と絡めてのW受賞という線で、関係者に了解を取り付けようと安倍総理の側近が周囲に相談したところ、自民党内の重鎮である中曽根康弘元総理を通じて、読売グループのトップ・渡邉恒雄会長(86)にも話が伝わった。
渡邉会長は「渡りに舟」とばかりに、
「東京ドームで5月5日に行われる松井の引退セレモニーの時に、長嶋も出席するから同時受賞にすればどうだ」
こうして、急転直下のW受賞の発表になったという。
だが当の松井は、引退発表をしたにもかかわらず、いまだニューヨーク暮らしを満喫中。誕生した男児との生活にも満足しているようだ。日本に住む知人にメールで「子供はかわいいですよ」と連絡しているというのも、かつての松井からは隔世の感がある。
松井自身は、日本に戻ってくるよりも、有名選手であることを意識せず、プライバシーが確立しているアメリカでの生活のほうが、自分にとっても家族にとってもいいと判断しているようだ。現在の状況では、帰国までして野球関係の仕事をするつもりはまったくないという。
松井は今でもニューヨークの自宅に隣接するスポーツジムに欠かさず通って体力の維持を図っている。松井本人は親しい知人に対し「日常のルーティンの一つ」と語っているように、引退しても自分らしさを保つことをずっと課している。
それと松井にはこんなモットーがある、
「よき指導者になるためには、よき社会人に‥‥」
つまり、将来の指導者という目標に向けて準備に入りつつも、高校卒業後に社会経験を経ずにプロ野球選手となってしまっただけに、今一度、社会勉強を積み研鑽を高めたいと思いがあるのだ。
松井が国民栄誉賞受賞の知らせを受けて「現時点で、私がいただいていいものか。この賞をもらっても失礼でなかった証明ができるよう努力していきたい」と語ったのも、松井一流の言い方ながら複雑な胸中がうかがえるのだ。
スポーツライター 永谷脩
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