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掛布 そういえば大野のデビュー登板、アウトになったの俺だけなんだってね。知らなかったよ。
大野 1977年9月4日の広島市民球場。カケはもうスターやったから記憶にないだろ。ショートフライだった。あと全部、打たれて、四球出して、満塁ホームラン打たれて5失点。防御率は135.00だった(笑)。
掛布 大野との対戦ではシュートが怖かったな。「頼むから顔より上はやめろ」と。「その代わり下はいくらでもいいから」とね。
大野 シュートをよく投げていたからね。シュートが抜けて、顔のほうにビューッと行くのよ(笑)。
掛布 タツ(達川)が「カケ、申し訳ないけど、尻もちつくまでインコース行くぞ」って、マスク越しに言ってくるし。
大野 あの当時、いいバッターには「行け」だもん。それが当たり前だった。
掛布 「頭に行かんかい!」ってベンチからの声が聞こえるから、本当に怖かったよ。でも、今は左でエグいシュートを投げる投手がいないよな。もっと勝てる投手になれるのに。シュートを投げると、肘とかの負担が大きいからかな。
大野 投げ方さえしっかりしていれば、問題ないんだよ。俺の投げ方も理にかなっていないように見えるけど、自分では理にかなっていると思っていたからね。
掛布 考えたら、江夏さんも大野みたいに、投げる前にグッと沈んでたもんな。
大野 あのタメというか、間が大事なんだよ。投手は打者のタイミングをズラそうと思って、いろんなボールを投げる。バッターはタイミングを合わせようと思って打つ。
掛布 打者は崩されるか、自分の意思で崩れるか。その差が大きい。崩されたら負け。自分から崩れたのなら打てる。
大野 打者の反応を見て投げるけど、下が崩れて上体が出てくると怖くない。グッと残して待てる打者は、すごい嫌だった。投手は打者を観察するのも大事だよ。
掛布 若い投手も結果オーライの投球でなく、プロとしての投球術を磨いていってほしいよね。
(数字は全て4月21日現在)
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